つくばソフトウェアエンジニアリング株式会社

当社の歩みと課題

当社は兄貴格の会社である日本ソフトウェアエンジニアリング株式会社(現在はNSW株式会社による吸収合併により消滅)と日本ビクター株式会社(現 株式会社JVCケンウッド)との合弁企業として1990年に誕生し、その後合弁解消によって独立系のソフトウェア開発企業として歩みを進め、2022年11月にSYSホールディングスグループに参加するまでの歴史を刻んできた。

得意分野として設立間もないころから温めてきたテレビ放送の映像関連ソフトウェア開発を軸に、象さんと蟻さんほどの法人規模の差のあるソニーさん等のグローバルに活躍するお客様との直接取引を運よく開始でき、これまで長期にわたって良好なパートナー関係を継続してきた。

これら取引とは別に、有って無いような緩く曖昧な社内ルールを標準化する取組として、2004年にISO9001の認証を取得、2008年にはISO27001の認証を取得し、対外的な信用を高めるとともに品質やセキュリティ面での維持改善ルールを定めて運用を実施している。

事業所としては、御縁があって1997年にバンコクに現地法人としての拠点を設立し、その翌年の1998年にはソニーさんの年を重ねる毎の業務拡大に伴って、ソニーさん業務用機器開発の本拠地である神奈川県厚木市に事務所を構えた。厚木事務所はソニーさんの業績が悪くなって業務縮小する2006年まで存続し、同年に新たに開設した東京事務所に併合消滅。東京事務所では、ソニーさん業務縮小により行き場を失ったメンバーを映像関連に強いということでニコンさんが救いの手を差し伸べてくれて事なきを得、その後の長く良好な関係を継続できている。2007年には青森県の後押しもあって八戸に事務所を開設。青森(東北地方)で案件を確保するということではなく、採用面での期待を込めての進出であった。しかしながら東日本大震災により業務継続が危ぶまれたのと、期待したほどの人材の確保が出来なかったことを理由に、2012年に青森事務所を閉鎖した。

これまで会社の規模を拡大するという明確な目標を持たずに(少なからず拡大しようとしてチャレンジしたが、バブル崩壊/リーマンショック/震災等で出鼻をくじかれて断念)経営してきたが、次の点においてだけは、これまで強い目標意志を持ち続けて会社を育ててきたつもりである。

1.   得意な技術領域分野を持ち、他の部隊では代替えの利き難い技術を蓄積する。

2.   少数精鋭部隊を構築する。

3.   良いお客様を獲得し、長期の関係を継続する。

4.   お客様先常駐作業ではなく、とにかく持ち帰りできる作業(受託作業)を増やす。

結果としてこれらのすべてを規模は小ながらも達成でき、毎年黒字を出し続ける業績で経営は非常に安定した。しかしながら、一方では現状維持に留まりチャレンジを忘れた内向な企業になっている。

また、お客様からは少数精鋭の優秀なスタッフばかりで、他ではなかなか出来ないような案件にも対応でき、品質も良いという評価をいただく場合が多いが、人員リソース不足のため新規案件の開発要請や既存案件の増員要請に応じられない場合が多く、お客様の案件プロジェクトの希望計画にマイナスの影響を与えてしまっていたはずである。当社にとっても機会損失を重ねて未来的な損出を出していたと思う。
以上、これまでの歩みと、現状の課題を簡単にまとめてみた。
課題に対しては、新たな分野(工場や大規模施設の見える化/DX化)へのチャレンジと、10年で会社の規模を倍にするという長期計画を策定して進行中である。

つくばソフトウェアエンジニアリング株式会社 代表取締役社長 平島隆之