仏教用語に「自利利他」という言葉がある。わかりやすく言うと、他人の幸せ/他人の利益のために努力することが、結果、自らの利益に繋がるという教えである。
自分や自社の利益だけを追求すれば、一時的には上手く行くかもしれないが長くは続かない。
関係する人やお客様の利益を常に優先して考えて行くことで、我々の人生も商売も長期的に上手く行く。名経営者として名高い京セラ名誉会長の稲盛和夫氏も「常に利他に尽くせ」と言っておられる。
商売というのは、誰かに損をさせて自分が得するというものではない。商売をする「相手の利益」を叶えることがなければ成立しない。
だからと言って、当たり前だが自社の利益を考慮せずにお客様の利益だけを考えろという訳ではない。自社の適切な利益を考慮しないのは商売ではないので付け加えておく。
自分の利益ばかりを追い求めて、他への思いやりなどのまったくない人のことを「我利我利亡者」と言う。「自利利他」と対極にある同じく仏教の言葉である。こういう人はビジネスの世界ではまず成功しない。一時的な利益を得たとしても、人として幸福を感じることもないだろう。
人は結局最後には、自分以外の人にどれだけのことができたのかで評価されると思う(私は自分の亡くなった母親から学んだ)し、人生の中で関わる人からの笑顔の数が多ければ多いほど、幸福を感じるはずだと私は信じる。
「自利利他」を当社の根本的な理念として共感して行動して欲しい。
つくばソフトウェアエンジニアリング株式会社 代表取締役社長 平島隆之