つくばソフトウェアエンジニアリング株式会社

「働く」ことの本質を、正直に語りたい ── つくばソフトウェアエンジニアリング代表・平島の考え

こんにちは。つくばソフトウェアエンジニアリング株式会社の代表、平島隆之です。

就職活動中の皆さんは、企業のホームページやパンフレットで「ワークライフバランス充実」「働きやすい環境」といった言葉をよく目にするでしょう。当社も、残業削減や休暇取得の推進に力を入れています。でも今日は、もう少し踏み込んで、経営者として私が「働く」ことをどう考えているかを正直にお話しします。

私自身は「ハードワークで成長した」世代

私は創業期にこの会社に入社し、2代目の社長になりました。会社が安定して黒字を出せるようになるまで、誰が見ても「ブラック労働」と呼べるような働き方をしてきました。正直に言えば、それを楽しんでいた部分もあります。そのハードワークのおかげで、技術も経営も学べたし、成長できたと今でも思っています。

だからこそ、若手社員が安易に「ワークライフバランス」を口にするのを聞くと、内心では少しいら立つこともあります。「もっと踏ん張れるのでは」「この仕事の面白さに気づいていないのでは」と。

それでも、会社は「働き方改革」を進める理由

しかし、経営者として冷静に考えると、私のような働き方を全員に求めるのは、戦略として間違っているのです。

あるワークライフバランスの専門家が指摘していました。「血と汗と涙を流せ」と叫ぶ人の陰で、大勢の人が退いている。ハードワークを推奨する経営者やエリートは、体力があり、ストレス耐性が高く、プレッシャーを楽しめる「レアな存在」だと。

データを見れば明らかです。私が幼かったころの1970年代には年間180万人が生まれていましたが、2024年の出生数は約68万人。若い世代の希少価値は2.6倍に跳ね上がっています。「もっと働かせろ」と要求する超人材は壮絶な争奪戦になり、私たちのような中小企業には到底採用できません。

だからこそ当社は、さまざまな事情や制約を持った人にも活躍してもらえる環境づくりに本気で取り組んでいます。育児中の方、介護を抱える方、体力に不安がある方。組織内の不合理をなくし、ムリ・ムダ・ムラを排除し、誰もが力を発揮できる仕組みを整える。これは福利厚生ではなく、生き残るための攻めの経営戦略なのです。

多様な「働き方」が共存できる会社へ

ただし、誤解しないでほしいのは、「頑張りたい人」の可能性も閉ざさない、ということです。

寝食を忘れて技術を極めたい。お客様の課題解決に没頭したい。そういう情熱を持った人が思い切り働ける環境も必要です。私自身がそうだったように、仕事そのものが人生の喜びになる瞬間を知っている人もいるからです。

大切なのは、「標準」を押しつけないこと。ハードワークを強制するのも、全員に定時退社を求めるのも、どちらも歪みを生みます。一人ひとりが自分のペースで成長し、貢献できる。そんな多様性を認める組織を目指しています。

就活中の皆さんへ

この文章を読んで、「この社長、矛盾しているな」と思った方もいるかもしれません。その通りです。私の本音と、組織戦略としての判断は、必ずしも一致しません。

でも、それが経営者の仕事だと思っています。自分の価値観を押しつけるのではなく、多様な人材が力を発揮できる「器」を作ること。

当社に興味を持ってくださった方には、ぜひこう問いかけてほしいのです。

「私は、どんな働き方をしたいのか?」

技術を極めたい人、安定した生活を大切にしたい人、両方のバランスを取りたい人。どの答えも正解です。大事なのは、自分の答えに正直になること。そして、その答えと会社の文化が合うかを見極めることです。

当社は、正直であろうとする会社です。きれいごとだけでは語りません。厳しさも、成長の喜びも、多様性の難しさも、すべてを含めて、これからの働き方を一緒に作っていきたい。

そう考える皆さんとお会いできるのを、楽しみにしています。

つくばソフトウェアエンジニアリング株式会社 代表 平島隆之